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ブラック・マンデー
Black Monday   No.19
Since 2002/Aug./01
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 最近になって、田辺課長はディーリング業務に関わるコンピューター・システム開発のプロジェクトをやっていて、ディーリング・ルームにいないことが多い。

 今日もシステム・ソフトの会社のエンジニアと打ち合わせで外出していた。

 夕方になって帰社した田辺課長をつかまえて、7.5%から8.5%まで、1/16刻みで500本(5億ドル)づつ、合計で8000本(80億ドル)を『出し』終えたことを報告した。



 「そっか。 思ったよりもワン・イヤー(1 Year、1年もの金利)の上がるスピードが速いねぇ。
 でも、予定通りだろ?」

 「はい。
 
『評価損』を計算すると、胃が痛くなりそうですけど・・・・・。」

 「まだ、この調子だとハーフ(0.5%)程度は金利が上がるって覚悟しておいた方がいいんじゃないか。
 アセット(資産)を積み上げるときって、こうなんだよ。
 特に金利上昇局面ではね。『評価損』が出るからな。
 金利下降局面で『出す』のは、気が楽なんだけれどね。
 金利が下がっていくときは、『評価益』が出るからなぁ。」


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 田辺課長の言う通りに、時間をかけながらも、ワン・イヤーの金利はさらにハーフ(0.5%)上昇した。

 1/16%刻みで500本(5億ドル)づつ『出す』作業を続けているのだから、さらに4000本(40億ドル)ポジションが増えている。

 「田辺課長、ワン・イヤー・デポですが、9%チョードまで『出しました』。
 まだ、上がりそうな気配なんですが・・・・・。」

 「そっかぁ・・・・・。 ここまでは予定通りなんだけどなぁ・・・・・。」

 「ええ・・・・・。 まだ9%を超えても出しますか?」

 「ああ。 もう少し出し上がろう。
 ワン・イヤーが9%になったのはわかったけど、オーバー・ナイト金利はどうだよ?」

 「オーバー・ナイトはそれほどでもありません。
 まだセブン・アンド・ハーフ(7and 1/2、7.5%)がオファーです。」

 「じゃあ、長めのターム(Term、期間)の金利が上がって、手前のところはそれ程でもないってことか・・・・・。
 イールド・カーブが立ってきているわけだなぁ・・・・・。
 だったら相変わらず毎日『実現益』が出ている状態だな。」

 「はい。 でも『評価損』も膨らんでいる状態ですけど・・・・・。
 何だか、だんだん怖くなってきました・・・・・。」

 「うん。 じゃあ少し『出す』アマウントを減らして、様子を見てもいいぞ。
 ここまでの金利上昇は予定通りなんだから。」

 「わかりました。」





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