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ブラック・マンデー
Black Monday   No.22
Since 2002/Aug./01
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 「・・・・・。
 梅田、もう少し『出そう』。」

 「えっ?
 ・・・・・。」

 「今日のワン・イヤーっていくらだよ?」

 「ナイン・アンド・ハーフ(9and1/2%)ですけど。」

 「そうか。 じゃあ、それ、『出せよ』。」

 「田辺さん。 俺、セブン・アンド・ハーフ(7and1/2%)から2パーセント『出し上がった』んですよ。」

 俺は思わず、むっとしていた。


 【田辺課長、わかってるのかな・・・・・。
 俺は、どうしようかと思って、相談してるんだけど・・・・・】


 「うん。 梅田。
 『出せよ』。」

 「・・・・・。」




 「梅田なっ、ブローカーさんの電話のボタンを押して『ユアーズ』って言えばいいんだよ。」


 【俺だって、そんなことぐらい知ってるよ! 田辺さん、俺のことバカにしてんのか!】


 カチンと来て、心の中でそう叫んでいた。


 口に出して、そうは言えないものだから、怒って、ブスッとしながら、

 「俺には出来ません!」

 そう答えた。




 「なんだ。 おまえ、出来ないの? じゃあ、俺がやってやるよ。」

 田辺課長はそういって、喫煙室を出て、ディーリング・ルームへ入って行った。



 俺は腹が立っていたものだから、田辺課長の後を追いかけずに、喫煙室に残っていた。喫煙室から、喫煙室のドアのガラスとディーリング・ルームの大きなガラス越しに、中の様子が見える。

 ディーリング・ルームへ入って行った田辺課長は、スタスタと歩いて、俺のディーリング・ボードに座った。


 右にはアシスタントのアン・リーが、左側にはエイドリアンが座っている。


 座ってから、田辺課長は、「消しゴム付きの鉛筆」を右手に持った。

 左手には、「受話器」を持っている。

 鉛筆の消しゴムの方を先にして、「鉛筆」でブローカーの電話のボタンを押している。

 押しながら、何か叫んでいる様子だが、喫煙室にいては、何を言っているのか、もちろん、聞こえない。


 今度は、立ち上がって、左手の受話器を胸にして、「消しゴム付きの鉛筆」を右手に高々と揚げて、グルグルとまわした。


 俺は、【なにをやってるんだろう?】と思いながら、ゆっくりと喫煙室を出て、ディーリング・ルームのガラスの扉を開けた。




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