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独断と偏見の為替相場

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【ロイター・モニターの為替レート】(2) 2002/05/13(月)


ロイター・モニターの為替レート(2)】


 ロイター・モニターの表示する為替レートについては、前回のメールマガジンで説明した通り、インターバンク・ディーラーアシスタント・ディーラーが業務の合間にボランティアでインプットしている。

 「そういったことも、業務の一環だ」といった意見もあるだろうが、インプットしなくても良いわけだし、義務ではない。

 世界中に、星の数ほどもある銀行のうち、ごく一部の銀行だけがインプットをしていることを考えれば、それはある種のボランティアと言えるだろう。
 星の数ほどもある銀行のうち、すべての銀行が外国為替市場に精通しているわけではない。外国為替のインターバンク市場のメイン・プレーヤーはごく一部の銀行だけなのだ。
 相場が大きく動くときなどは、メイン・プレーヤーだけしか本当のプライスがわからないこともある。

 ところが、ロイター・モニターに為替レートを入力するのは、義務ではないし、強制力がないものだから、間違ったレートをインプットしても罰則がない。
 そうなると、不遜なディーラーや、はっきり言えば、常識のないバカなディーラーも中にはいるわけで、わざと間違ったレートを、意図的に入力する輩もいる

 どういう事かと言うと、例えば、そのディーラーがドル/円を買っている(ドルの買い持ち、Dollar Long)としよう。そのときに、実際の市場レート(マーケット・レート)よりも、わざと高いレートをインプットするのだ。
 もっと具体的に説明すると、市場レートが、【127.50−60】としよう。その時に、意図的にロイター・モニターに、【127.80−90】と表示させるのだ。場合によっては、【128.10−20】のようにもっと高いレートが入力されることもある。

 そうすると、それまで【127.50−60】だと思っていたディーラーが、何かニュースがあったのかも知れないと勘違いして、あわててドルを買ったりする、といったことも起こる。 実際に、マーケットの雰囲気が、いかにもドル高に振れそうなときに、わざとそういうことをすると、本当にマーケットが動いてしまうこともある。
 もちろん、状況によっては、何事も起こらずに、「ああ、ミス・インプットだな」っと、無視されることの方が多いのだが・・・。

 私は、そういった事をするディーラーを軽蔑しているが、上述の通りなので、罰則はない。
 それに、たくさんの人間が集まれば、必ず一定の割合で、自分が儲かりさえすれば、他人はどうでも良いと考えるディーラーがいるものだ。
 どんなに真摯に臨んでも、そういったディーラーは、かえってその真剣な態度をあざ笑うだけだ。
 ディーラーは世界中にいるのだし、その全員のモラルが保たれることはあり得ない。

 ただ、そういった輩が、マーケットで長生きしたのを見たことがない。そういった考え方をするディーラーは、割とすぐにいなくなる。
(本当なんですよ。不思議なものですね・・・。『天網恢恢、疎にして漏らさず』と言ったところでしょうか?)

 だから、ロイター・レートを信じきってはいけない。
 あくまでも、目安として、参考にするべきものだ。


 そういった間違ったレートがインプットされると、データが狂ってしまうし、チャート・マシンから配給されるチャートも正確でなくなるのだが、仕方がないのでマニュアルで訂正しながら、メンテナンスしている。
 本当に、悪意ではなく、間違ってインプットしてしまうこともあるのだから、悪意かそうでないのかは、本人以外は判断できない。

 ロイター・レートは所詮そんな程度のものなのだ。

 外国為替相場を見るのなら、ロイター・モニターは必要だし、ロイターぐらい見ておかなくてはならないのだろうが、そこにあるものはきわめて不正確なものだと認識したほうが良い。


 (物語)

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