「ダラー・イェン、テン・プリーズ!」
(Dollar Yen, Ten please!)
「ダラー・イェン、テン・プリーズ!」
(Dollar Yen, Ten please!)
「ダラー・イェン、テン・プリーズ!」
(Dollar Yen, Ten please!)
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「シックスティ - セブンティ!」
(60 - 70!)
「マーイン!」
(Mine!)
「テン・ダン!」
(Ten Done!)
「セブンティ -
エイティ!」
(70 - 80!)
「マーイン!」
(Mine!)
「テン・ダン!」
(Ten Done!)
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「エイティ - ナインティ!」
(80 - 90!)
「マーイン!」
(Mine!)
「テン・ダン!」
(Ten Done!)
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「ナインティ - フィギュア!」
(90 - 00!)
「マーイン!」
(Mine!)
「テン・ダン!」
(Ten Done!)
「フィギュア - テン!」
(00 - 10!)
「マーイン!」
(Mine!)
「テン・ダン!」
(Ten Done!) |
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フィギュアとは、この場合181.00のことだ。
あっという間に181円台にのってしまった。
「テン・ダラー・プライス」を何回買ったのか、よく分からなくなった。アシスタント・ディーラーのエイドリアンが取りまとめて、何とか総ての合計で53回の「テン・ダラー・プライス」を買った。
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最後のプライスは、
181.25 - 35だった。
買い始めてからちょうど1円
ドルが上昇したことになる。
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急いで、アベレージ・レート(加重平均レート)を計算する。
180.25 - 35から始めて、181.25
- 35まで買った。
その真ん中のレートは180.75
-
85だ。
後半で買った方が少し多いのだから、アベレージ・レートは180.75
- 85よりも少し高いはずだ。
計算してみると180.95だ。ちょっと思ったよりも高い。
エイドリアンも検算している。同じだ。180.95だ。
すぐに、大竹さんに連絡しなければと思い、短縮ダイヤルを押した。
ピポパポと短縮ダイヤルが東京につないでいる間に、自分のポジションでの損失を計算した。
180.30の持ち値として、180.95で買い戻したのだから、65銭のやられだ。30本持っていたのだから、1950万円の損失だ。結構やられている。
[(180.30−180.95)×
30,000,000 = −19,500,000
]
しょうがない。大竹さんのアベレージ・レートにのせてもらおう。
1950万円を500本で割れば3.9銭の上乗せか。
[ 19,500,000 ÷ 500,000,000
= 0.039
]
[ 180.95 + 0.039 =
180.989 ]
じゃあ、180.989だけど、数字をまるめて180.99だ。
181円台にのっていなければいいだろう・・・・・。
それでも、大竹さんのポジションは、現在の市場レートが181.25としても26銭勝っている。
[(181.25−180.99)×
500,000,000 = +130,000,000
]
1億3000万円の利益になっている。
たいしたもんだ・・・・・。
たったワン・ディール(One Deal, 1回の取引)で1億3000万円のプロフィット(Profit,
利益)か・・・・・。
東京への電話は、「トゥルル」とたった1回の呼び出し音だけで大竹さんの声になった。
「もしも! 大竹です。」
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金融市場で働く人は、仕事の電話をとるとき「もしもし」と言わない。
日本の株式市場や国債市場では、「もしも!」だし、外国為替市場では、「もし!」と電話にでる。
わずかの時間をも惜しんで、早く用件を伝えるためだそうだ。
慣れないうちは、なんとなく滑稽だ。
「し」という一語や「もし」という二語を縮めたところで、それ程時間の短縮になるとは思えないのだが・・・・・。
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大竹さんは、たった1回の呼び出し音で電話を取ったのだから、電話の前に居て俺の電話を待っていたのだろう。
「どうだ? いくらだ?」
マーケットの様子はどうだ、500本がいくらで買えたのか、いっぺんに聞かれた。やっぱり大竹さんも少しは不安を感じているんだな、と思った。 |
「買ったよ。
アベレージが180.99。
現状が181.25
- 35。」
「そっか・・・・・。」
「ちょうど1円上がったよ。」 |
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