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フォレックス・ディーラー物語
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青春のモニュメント No.21
 ディーリング・ルームに戻って、ロイター・モニターのスイッチをひねった。
 緑色の文字が浮かび上がってくる。



 ドル・円が182.00 - 10になっている・・・・・。
ロイター画面


 まだ、大竹さんのポジションフェイバー(Favor)だけれども、さっきディーリング・ルームを出たときと比べると、1円50銭も落ちている。

 大竹さんの持ち値は、181.78だ。
 このレートは俺が決めたんだから、絶対に間違いない。

 大竹さんのポジションは約20億ドルのドル・ロングだ。

 俺は自分の机の上のポジション・シートをめくった。

 正確なアマウントを確認したかったのだ。
 ドル1956本と書いてある。

 俺は思わず計算機でラフな数字を出した。


 [(183.50−182.00)× 2,000,000,000 = 3,000,000,000 ]


 20億ドルのポジションだと、183.50と182.00では、30億円も損益が違う。


 [(182.00−181.78)× 1,956,000,000 = +430,320,000 ]


 182.00で引き直すと、大竹さんのポジションは4億3000万円の利益に縮まっている。

 俺は、振り返って時計を見た。ニューヨークが6時15分、東京が朝の7時15分だ。

 さっきディーリング・ルームを出たのがニューヨークの5時過ぎだった。
 まだ、1時間しか経っていない。

 『大竹さん、だいじょうぶかなぁ? どうしたかなぁ?』

 大竹さんが、タクシーで会社に向かったならば、東京の6時半頃には着いているだろう。
 シドニー市場で、ドルを少しは売ったのだろうか・・・・・。

 東京市場が始まる前のシドニー市場は、東京市場よりも参加者が少なく、マーケットの厚みがない。




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